あこままのもやもや日記

2015年春に脳梗塞で救急搬送。原因は脳の難病である「もやもや病」であることが判明。2015年夏に右脳のバイパス手術を受けるが、後遺症で、左半身麻痺=「左片麻痺」に。絶望の淵からたちあがり、リハビリを続け、専業主婦として生活していく闘病、リハビリの記録。明石家さんまの「生きてるだけで丸儲け」が座右の銘。

入浴

2015年11月末頃、この頃は、1日おきの入浴は自分ひとりで入っていた。例によって、入浴自立OKの認定をもらうにあたって、何人かのスタッフの前で一人で入浴した。もう、恥ずかしいとか、どうでもよかった。
歩いて浴室まで病室から行き、服を脱ぎ、フリーハンド(杖を使わずに歩くこと)で歩いて(当然、杖を浴室には持って入れないから)浴室に。シャワーを浴び、身体を洗って、洗髪して、湯船につかる。誰の手も借りずに。なんとかなるもので・・
特に失敗することもなく、全ての工程を終えた。着替えてドライヤーで髪を乾かし・・・そこまでをチェックしてもらい、「OK」をいただいた。なんとかクリアー。その翌日から一人で入浴。認定はされたものの、本当に浴室にひとりきりだと・・・かなり不安だった。チェックの日は、なんだかんだスタッフがいてくれるわけだから、万が一何かあっても、助けてもらえる。安心感。でも、完全に一人。ナースコールのボタンはあるから、何かあったら押せばよいのだが・・・。
初回は本当に緊張。慎重に慎重に無事入ることができた。ひとりだからって、決して「ゆっくりのんびり」なんて最後までできなかった。特に湯船に入るのが一番怖く、当時、バスタブの中で身体を回転させてはいる入り方だったので余計に緊張、これが最大の難所だった。11月も後半で寒くなってきていたので、入らないわけにもいかず、ひとりで必死だった(笑)。相変わらずタオルをぎゅっとしっかり絞ることはできていなかったので、そこだけは適当に済ませていた。
が、確か12月の初旬、入浴中に「転んで」しまったのだ。「転ぶ」というよりは「尻もち」。
シャワーチェアに座ろうとしたときに後ろをよく見ず、座面よりだいぶずれたまま腰を下ろしてしまったのだ。ドスンと尻もち。さあ、大変!私は、床から自分で立てない!ナースコールのボタンははるか上にあって、立たない限り押すことができない。大パニック。とにかく立たないと!なんとかしなきゃ。気持ちを落ち着かせ考えてみた。できること、をするししかない・・・尻もちをついたその体勢で、床を這うようにしてバスタブの近くまでいった。大きなステンレスの浴槽の淵に右手をかけ、なんとか立つことができた。私にとっての「奇跡」。そこで、ほっとし、ゆっくりと入浴し直した。泡を完璧に流して二度と足を滑らさないよう、尻もちをつかぬよう細心の注意をはらった。
入浴を終え、病室に戻り、夕食に食堂に向かった。浴室で起こったことを特には誰にも話さず翌日になった。
入浴の方法などは、作業療法の時間に訓練を受けた。なので、作業療法の担当・愛美先生に、昨夜の入浴中の出来事を話した。こっぴどく叱られた。たとえ何もなくても起きたことをきちんと話さねばいけない!と。当たり前だ。病室に戻ると、話を聞いたケアワーカーさんが、お尻を見に来た。「傷」や「痣」がないかの確認で。
次の入浴はこわかったが、一度の体験で懲りたので、慎重に慎重にゆっくりと入浴した。その後のいい経験になった。
そして、退院時に、「浴室のナースコールの位置が高すぎる。押せない」と、意見を記入した。